当時のヨーロッパは装飾的でディナーセットとして揃えるのが一般的とされていました。
しかし、第二次世界大戦により物資や住宅の不足から、
一般的な家庭にとって決して使いやすいものではありませんでした。
そんな背景もあり、当時アラビア社の陶磁器デザイナーだった
カイ・フランクは そんな悩みを解決すべく、キルタをデザインします。
キルタには派手な装飾はなく、唯一の装飾は釉薬、コンパクトな収納を実現し、
必要に応じて買い足しができる、などのように国民に寄り添うことで
、大ヒットシリーズとなります。
しかし残念ながら、1973年、原材料の高騰やオイルショックの影響もあり、
生産終了の発表、1975年には廃盤となりました。
その後、国内のみならず海外からも生産復刻の要望が多く、
1981年にカイ・フランク監修のもと、新しいテーブルウェア『ティーマ』が誕生します。
デザイン面、機能面はそのままに、陶器から磁器への変更、
オーブンや電子レンジ、食洗器に対応可能など、さらに使いやすさを重視ししました。
こうして現在でも大人気シリーズとしてティーマは製造・販売されています。
と、すごく長い説明になりましたが、ここからはヴィンテージアイテムのお話です。(まだ続きます笑)
ティーマは現在イッタラで製造されていますが、2005年まではアラビアで製造されており、
バックスタンプもアラビアのものが使われていました。
ヴィンテージのティーマを探しているときにアラビアロゴのものを
見つけると買い付けたくなってしまいます。(笑)
そして当時のバックスタンプには『Arabia Finland』と入っているのもポイント。
というのも、2016年にフィンランドの工場が閉鎖されてしまい、
現在では生産拠点が海外へとうつっているのです。
当時のものは釉薬後にバックスタンプが押されていたため、擦れて消えているものも多くあります。
キルタやティーマはヴィンテージでも定番のアイテムとして長く愛され続けています。